体調を見直そう!
休暇前、アナタの生活はゆったりしてますか?
休み前だからといって、朝から晩までハードに働いていませんか?
今回は事故を防ぐために見直したい、カラダのお話です。
先日、日本人の体験ダイバーが死亡した事故がありました。持病の発作だったようです。ダイブプロフェッショナルとしていちばん避けなければならないのがダイバーの事故なのですが、オーストラリアに来てから5年間の間に、やはり何件かのダイビング事故が起こったのも事実です。ダイビング事故の原因は次のうちのいずれかに当てはまります。
(1) ダイバーの病気
(2) ダイバーの技術的ミス
(3) 器材の故障
(4) オペレーション側のミス
この中でも今回は(1)のダイバーの体調や病歴などに焦点を当てて、ダイビング事故を防止することを考えていきたいと思います。
認定ダイバー、体験ダイバー、講習中のダイバーにかかわらず、オーストラリアでは病歴診断書の記入が義務づけられています。これはダイビングを行おうとしている人が過去に重大な病気やケガなどをしていて、水中での活動に影響があるかどうかを判断するために使用しているのですが、ひとつでもチェックがあるとダイビングができなくなると思い込みがあるようで、なかなか100%正確な情報を書いてもらっていないように思います。
今までの事故でよく耳にしたのが水中で何らかの発作が原因の事故で、特に心臓発作や卒中などがこれらの発作に多く含まれていることです。通常、病歴診断書に前記の申告があった場合はダイブオペレーション側(ダイビングショップやダイビングサービス)はダイビングの中止を伝えるのが常識です。本来であればこのような事故は未然に防ぐことができるはずです。
まずは自分の正確な病歴を把握し、不安な部分があればダイビング専門医に適切な診断をしてもらうように心がけるべきです。ダイバーもダイビングプロフェッショナルも医者ではないので(たまにドクターでダイバーもいますが)、ダイビング直前の医学的な判断はできないのです。
ところで、この病歴診断書を正直にかいたところで完全に水中でのトラブルは防げません。というのも、その日の体調や本人が気づいていない不調などは事前に確かめられないからです。その日の体調に関して注意すべき点は(1)疲労 (2)船酔い (3)風邪 (4)アルコールなどがありますが、休暇がなかなか取れない日本人にとって旅行出発時ぎりぎりまで仕事をしたうえにオーストラリア行きの場合は夜行便に乗るわけです。日本と時差はあまりないのでその点はいいのですが、飛行機の中で熟睡するのは非常にむずかしく、ほとんどの場合睡眠不足の状態で空港に降り立ちます。もちろん飛行機の中は気圧調整されており、乾燥した空気で満たされていますから、目的地に着いたときは睡眠不足と軽い脱水症状になっているのです。
ダイバーとしては到着日はゆっくりと体を休め、体調を整えるように心がけるべきですが、休暇が短い日本人にとってはなかなかそのような贅沢ができないのが実情で、ダイブクルーズなどに出かける人が多いようです。
ダイビングに出かける前の準備としては、休息(睡眠)を十分にとること、水分をしっかり摂取すること、必要であれば処方された酔い止めの薬を飲むこと、その日の朝食は必ず取ることがあげられます。もちろん風邪などの病気をしているときはきっぱりとダイビングを中止することが必要です。せっかく来たのだからという理由で無理にダイビングをするのは禁物です。まずこういった基本的なところから体調を整えるようにし、ベストの状態でダイビングをすると、不必要な事故やトラブルを回避する可能性を高くすることができるのではないでしょうか。
ここでひとつ注意しておかなければならないのは、酔い止め薬です。昨年ケアンズであったセミナーの中で、「ダイブオペレージョン側が一般のダイバーにいかなる薬も手渡すことはできない、もし薬を与えた場合、そのダイバーがダイビングをするのを中止させなければならない」とのガイドラインが与えられました。考えてみれば当然ですが、医者でもないダイビングインストラクターが一般の方に薬品を与えることは不自然で危険な場合があるのです。とくに圧力下での活動をするダイビングに関してはこうした注意点が大きくなります。船酔いが心配な方は、ダイビング専門の医者に適切な酔い止め薬を処方してもらうようにしてください。
減圧症にかかりやすくなる要因としてアルコール、喫煙、太りすぎなどがあげられますが、これらの要因は日頃から注意することでダイビング時のリスクを減少できます。特に旅行中などはアルコール摂取量が増え翌日のダイビングに差し支えのないようにして、前記のアルコール、喫煙、太りすぎの中で自分に当てはまるものがひとつもなくなるように、ダイビングをしている時間外でも注意していきましょう。






